日本を旅していると、至る所で美しい宗教施設に出会います。 しかし、「ここがお寺なのか、神社なのか?」と聞かれて、すぐに答えられる人は意外と少ないかもしれません。
日本では古くから「神仏習合(しんぶつしゅうごう)」といって、神道の神様と仏教の仏様を一緒に祀ってきた長い歴史があるため、混同しやすいのも無理はありません。 今回は、建物の特徴で見分けるポイントや、最も間違いやすい「参拝方法(柏手を打つかどうか)」の違いについて、分かりやすく解説します。
まず、外観や入り口にあるもので、そこが神社なのかお寺なのかを判断するポイントをご紹介します。
【神社】の特徴

神道の施設であり、日本古来の八百万(やおよろず)の神様が祀られています。
- 鳥居がある
- これが最大の特徴です。神様のいる「神域」と人間界を分ける結界の役割を果たしています。地図記号も鳥居の形です。
- 注連縄(しめなわ)がある
- 鳥居や拝殿に飾られている、紙垂(しで)がついた縄です。神聖な場所を示します。
- 鈴がある
- お賽銭箱の上に大きな鈴(本坪鈴)があり、ガラガラと鳴らして邪気を払い、神様をお呼びします。
- 屋根がシンプル
- 茅葺きや銅板葺きなど、比較的直線的でシンプルな屋根が多い傾向にあります(例外もあります)。
【お寺 】の特徴

仏教の施設であり、仏様(ブッダや観音様など)が祀られています。インドや中国から伝わってきました。
- 山門(さんもん)がある
- 鳥居の代わりに、立派な屋根がついた門があります。仁王像(におうぞう)が守っていることも多いです。地図記号は「卍(まんじ)」です。
- 仏像がある
- 本堂の中や境内に、お釈迦様、観音様、お地蔵様などの像が安置されています。
- お墓がある
- 多くの寺院には墓地が併設されています(神社にお墓があることは稀です)。
- 瓦屋根
- 重厚な瓦(かわら)を使った屋根が多く見られます。
- お香・線香
- お香の煙で体を清める香炉(こうろ)が置かれています。
「参拝方法」のルール
「パンパン!」と手を叩くのはどっちだっけ?と迷うことが一番多いポイントです。 ここだけ覚えておけば、どこへ行っても恥ずかしくありません。
神社の参拝:二礼二拍手一礼
神社では、音を立てて神様を招きます。
- お賽銭を入れる。
- 鈴を鳴らす。
- 深いお辞儀を2回する(二礼)。
- 胸の前で手を合わせ、パンパン!と2回拍手をする(二拍手)。
- この時、右手を少し下にずらすと良い音が出ます。
- 拍手の後、手を合わせてお祈りします。
- 最後に深いお辞儀を1回する(一礼)。
お寺の参拝:合掌一礼
お寺では、手は叩きません。 静かに手を合わせます。
- (あれば)お線香をあげる。煙を浴びて身を清める。
- お賽銭を入れる。
- 鰐口(わにぐち)などの鐘があれば静かに鳴らす。
- 胸の前で静かに手を合わせる(合掌)。
- 手は叩かずに、そのまま静かにお祈りをする。
- 心の中で「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」やご本尊の名前を唱えます。
- 最後に一礼する。
【覚え方】
- 神社は「パンパン!」(拍手する)
- お寺は「シーッ」(拍手しない・静かに合掌)
祀られている存在の違い(神様と仏様)
神社の「神様」
日本には「八百万(やおよろず)の神」という言葉があり、自然界のあらゆるものに神が宿ると考えられています。
- 代表例: 天照大御神(太陽の神)、スサノオノミコト、稲荷神(お稲荷さん)、菅原道真公(学問の神・実在の人物)など。
- ご神体は「鏡」や「剣」や「山そのもの」であることが多く、本殿の奥深くにあるため直接見ることはできません。
お寺の「仏様」
仏教の教えを開いたお釈迦様や、悟りを開いた存在です。人々を苦しみから救うために色々な姿をしています。
- 代表例: 阿弥陀如来、薬師如来、観音菩薩、不動明王など。
- 仏像として「目に見える形」で安置されていることが多く、直接お顔を見て拝むことができます。
管理人の感想:どちらも大切にする日本の心
海外の方に説明するとき、「日本人はクリスマス(キリスト教)を祝い、除夜の鐘(仏教)を聞き、初詣(神道)に行く」と言うと驚かれます。 しかし、これこそが日本の「和」の精神であり、寛容さだと思います。
厳かな空気の神社で背筋を伸ばすのも良し、お香の香りが漂うお寺で心を落ち着けるのも良し。 「神社かお寺か」という違いを理解した上で、それぞれの場所が持つ独特の空気感を楽しんでみてください。 どちらも私たちの心を支えてくれる、大切な場所であることに変わりはありません。
日本の絶景神社仏閣 参拝記 