根津神社と乙女稲荷神社【東京都】

【根津神社 概要】

根津神社(ねづじんじゃ)の創建年は不明。社伝では今から約1900年前(2世紀頃とされることもある)に日本武尊が景行天皇の命を受けて東国の平定に向かった際、千駄木の地に立ち寄り、須佐之男命を祀って戦勝や平和を祈願したためと伝えられています。現在の根津神社の場所は、かつて徳川綱重(六代将軍家宣の父)の屋敷で1706年(宝永3年)に遷座してきました。

【「根津」という地名の由来】

「根津」という地名の由来としては、かつて東京湾の入り江(津)の突き当たり(根)にあたる場所であったという説があり、交通や軍事上の要所であった可能性も考えられます。

ご祭神は、須佐之男命(すさのおのみこと)、大山咋命(おおやまくいのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)、菅原道真公(すがわらのみちざねこう)の五柱を祀っております。

【なぜ須佐之男命を祀ったのか?】

須佐之男命は、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した神話で知られる英雄です。この「荒ぶる力をねじ伏せる」という性質が、古くから「あらゆる災いや病を払う神」として、東国平定を目指す日本武尊にとって非常に頼もしい存在だったと思われます。遷座前の神社名は氷川神社だったかもしれませんね。

【根津神社 参道】

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赤い鳥居をくぐり参道を進むと、正面ではなく少し横にずれた位置に橋と楼門が現れます。これは、江戸時代に徳川綱吉が造営した当時の建築配置で、視覚的な変化を楽しめるよう設計されているそうです。

【根津神社 神橋】

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参道の途中にある小さな橋を渡ることで、日常から神域へと気持ちが切り替わる演出がなされています。つつじ祭りの時期は非常に混雑します。

【根津神社 楼門】

神橋を渡って最初に見える建物が楼門(ろうもん)です。この楼門は宝永3年(1706年)の江戸時代に建てられ都内では最古の楼門であり、国の重要文化財に指定されています。

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門の細部には、当時の高度な技術による極彩色の彫刻が施されています。特に、二階部分(楼上)の組物や、軒下の意匠は見応えがあります。「建物は完成した瞬間から崩壊が始まる」という伝承に基づき、楼門の格子の一部には、わざと「逆さま」や「不完全」に作られた箇所があると言われています。

【根津神社 手水舎】

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楼門をくぐって左手にある手水舎には、約300年前の造営当時に作られたとされる非常に巨大な水盤があります。一枚の巨大な岩から切り出されており、水が青く澄み切って見えるほど深く掘られています。現在ではこれほど大きな一枚石を確保すること自体が難しく、建築学的にも非常に価値が高いものです。

【根津神社 唐門】

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唐門(からもん)は、楼門と同様に宝永3年(1706年)に五代将軍・徳川綱吉によって造営されたもので、国の重要文化財に指定されています。江戸時代の建物が火災や戦災を免れてそのまま残っているため、「当時のままの色彩と彫刻」を間近で見ることができる非常に珍しいと思います。

【根津神社 社殿】

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社殿も同じく、宝永3年(1706年)に造営されたもので、本殿・幣殿・拝殿が一つにまとまった「権現造(ごんげんづくり)」の完成形と言われています。

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日光東照宮を彷彿とさせる、朱塗りに金箔、そして極彩色の彫刻が施されています。江戸時代中期の華やかな建築文化を今に伝える貴重な遺構です。明治時代の神仏習合の名残として屋根の卍があります。

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徳川綱吉は日光東照宮を深く崇敬しており、根津神社の社殿もその豪華な様式(権現造・極彩色)を色濃く反映させています。当時は国家的な大プロジェクトとして、最高の技術と巨額の資金が投入されたそうです。

【根津神社 末社 乙女稲荷神社 概要】

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乙女稲荷神社(おとめいなりじんじゃ)の創建年は、根津神社と同様に不明。しかし、乙女稲荷は、根津神社が宝永3年(1706年)に千駄木から移転してくる前から、この地の斜面にある「風穴(洞窟)」を命を育む女性の象徴として倉稲魂命を祀っていたのが始まりと伝えられています。この信仰自体は1706年以前からあり、古くからこの地で自然発生的に信仰されていた可能性が高いと考えられています。

御祭神は倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀っております。倉稲魂命は女性神で、かつて根津にあった根津遊郭の女性たちも厚く信仰していたことから、女性に縁の深いパワースポットとされています。

【根津神社境内 末社 乙女稲荷神社 千本鳥居】

『根津神社』が人気となったのは、摂社である『乙女稲荷神社』の千本鳥居も理由にあると思います。

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北から南へ向かい参拝すると邪気が失せ、願いが叶うと云われている神社ですので、参拝順路は気を付けたいですね。 乙女稲荷神社の鳥居がある場所(駒込稲荷神社方面)から入り、舞台造りの社殿でお参りしましょう。

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ちなみに、鳥居には表裏があり、一般的に表に「納」、裏に「建之年月日、創業記念日など」が記載されています。乙女稲荷神社 の鳥居は木製で経年劣化した物もあるので、手で押したりお掛かったりしないようにしましょう。

【根津神社境内 末社 乙女稲荷神社 社殿】

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鳥居を抜けた先にある社殿は、池を見下ろす高台に建つ舞台造りで、見晴らしが良く、風情があります。都内でも有数のフォトスポットですね。

【根津神社境内 末社 乙女稲荷神社 岩窟(風穴)】

社殿の奥には、「つつじが岡」の中腹に穿たれた洞(ほら)があり、そこに本殿が祀られています。古くは「穴稲荷」と呼ばれており、「乙女」という名の由来もこの岩窟(風穴)に関係があると思われます。

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「千本鳥居」と言えば、京都の伏見稲荷大社が有名ですが、「ミニマムでもよいから千本鳥居」を体感したいなら、こちらがお手軽かと思いました。ちなみに日本語の千本はたくさんという意味です。

【根津神社境内 摂社 駒込稲荷神社 概要】

駒込稲荷神社(こまごめいなりじんじゃ)の創建は、1661年(江戸時代の寛文元年)と伝えられています。もともとこの地は、五代将軍・徳川綱吉の兄である甲府宰相・徳川綱重の下屋敷でした。駒込稲荷はその屋敷の守護神(邸内社)として、寛文元年に祀られたのが始まりです。六代将軍・徳川家宣はこの屋敷で生まれたため、駒込稲荷は家宣の産土神(うぶすながみ)として非常に重んじられました。

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ご祭神は、伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉冊命(いざなみのみこと)、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀っております。

【根津神社境内 摂社 駒込稲荷神社 社殿】

配置からも根津神社の西側の高台に位置しており、境内でも最も高い位置の一つに鎮座しています。

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乙女稲荷が「倉稲魂命(お稲荷様)」を主軸としているのに対し、駒込稲荷は日本神話の国産みで知られる伊弉諾命・伊弉冊命を祀っている事からも、小さいながらも一番格式高いと思われます。乙女稲荷神社からの参道では無く、駒込稲荷神社の正面参道から参拝すると良いと思います。

【根津神社境内 つつじ苑】

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入園料は変動します。200円~800円となります。満開の時はいろんな種類のつつじが咲いて圧巻です。外から見ても素晴らしいですがやっぱり園内に入って鑑賞すると一味違います。

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約300種類があり早咲き・中咲きのつつじが満開で想像以上に見事でした。

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つつじ園の開園は9:30から。私は朝10:00頃に到着し散策しましたが、11:00過ぎには根津駅方面からつつじ苑に入苑する人の行列が数百メートルも繋がっていました。

季節的には亀戸天神社の藤まつりと合わせて参拝すると更に楽しめると思います。(おすすめは、根津神社→亀江戸神社の順が混雑回避に適していると思います)

【根津神社 御朱印】

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【根津神社 近くにある観光スポット(徒歩30分圏内)】

白山神社、駒込天祖神社、上野東照宮、湯島天満宮、源覚寺(こんにゃく閻魔) 

根津神社周辺には有名な神社仏閣も多いので神社仏閣巡りによいと思います。

【根津神社 アクセス】

管理人の感想

東京の真ん中に、これほど豪華な建物が江戸時代からそのまま残っているのが驚きです。千本鳥居は伏見稲荷ほど混雑しすぎず異界感を味わえる為、海外の観光客には人気のようでした。個人的には境内でも一段高い位置にある駒込稲荷が澄んだ気が停滞せずに流れており気持ちの良い場所でした。根津神社は派手さと静寂が同居する、何度でも通いたくなる神社だと思います。4月のツツジの時期は、約100種3000株のツツジが咲き誇る景色は圧巻ですが、想像以上の混雑ですので、早朝の参拝をお勧めします。

規模
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アクセス
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歴史・由緒
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自然・景観
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静けさ
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御朱印種類
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根津神社と乙女稲荷神社の住所

〒113-0031 東京都文京区根津1丁目28−9

※無料駐車場あり

東京メトロ千代田線「根津駅」・「千駄木駅」より徒歩5分 東京メトロ南北線「東大前駅」より徒歩5分 都営三田線「白山駅」より徒歩10分

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