【穴守稲荷神社の概要と歴史】
東京都大田区羽田に鎮座する穴守稲荷神社。新田開墾の際、堤防に開いた穴から海水が侵入する被害を防ぐため稲荷大神を祀り「風浪が害をなさざる穴守の稲荷」と称したのが始まりと伝えられます。古くから商売繁昌・家内安全のご利益で知られ、特に持ち帰って撒くと願いが叶うとされる奥之宮の「御神砂(おすな)」が名物です。また、羽田空港に隣接する立地から、航空関係者や旅行客による「旅行安全・飛行安全」の祈願所としても絶大な信仰を集めています。
【歴史と由来】羽田の地を守る堤防の守護神として創建され神砂の信仰を集める古社
穴守稲荷神社(あなもりいなりじんじゃ)は、東京都大田区羽田に鎮座する神社です。江戸時代後期の西暦1804年〜1818年(文化年間)頃に創建されました。
当時、羽田猟師町の名主・鈴木彌五右衛門(すずきやごえもん)らが新田(鈴木新田)の開発にあたり堤防を築きました。しかし、激しい風浪によって堤防に穴が開き、壊滅的な被害に見舞われます。そこで堤防の上に祠を建て、五穀豊穣と波浪による被害の防除を祈願して稲荷大神を勧請したのが始まりです。「風浪が穿った穴の害より田畑を守り給ふ稲荷大神」という故事から「穴守」の名が付けられました。

明治から昭和初期にかけては門前町や鉱泉街が広がり、京浜電鉄の開通とともに東京有数の参詣地として大いに賑わいました。終戦後の昭和20年(西暦1945年)、連合国軍(GHQ)による羽田空港拡張のための強制立ち退き命令を受け、羽田穴守町(現在の空港敷地内)から現在地へと遷座を余儀なくされました。戦後の試練と復興を乗り越え、現在も航空安全や旅の安全を守る羽田の守護神として篤い崇敬を集めています。
【ご祭神とご利益】豊受姫命が授ける商売繁盛・家内安全・旅行安全のご神徳
ご祭神は伊勢神宮外宮に祀られている豊受姫命(とようけひめのみこと)を祀っております。
- 航空安全・旅行安全:羽田空港の隣接地に位置する歴史的経緯や「穴を守る(事故を防ぐ)」由緒から、航空業界関係者の安全祈願や旅行者の道中安全のご利益で絶大な信仰を集めています。
- 商売繁盛・千客万来・事業発展:新田開拓を成功に導いた稲荷大神の強い御神徳と、かつて門前町として大繁栄した歴史にあやかり、ビジネスの成功や商売繁盛をもたらすとされています。
- 厄除け・災難除け・招福(神砂):堤防の決壊を防いだ逸話に基づき、災難や悪運から身を守る守護のご利益があります。また、境内の奥之宮で授与される「招福の神砂(お砂)」は、持ち帰って撒くことで開運や招福をもたらすことで知られています。
【穴守稲荷神社の見どころ&参拝ルート】
【境内と千本鳥居】朱塗りの鳥居が連なり神秘的な情緒が漂う参道と境内

鳥居をくぐって階段を上がると、美しい本殿に出会えます。

拝殿の横からは千本鳥居で繁栄稲荷、出世稲荷、開運稲荷、必勝稲荷など様々なお稲荷様があります。

千本鳥居の大きさや参道の長さなどは京都の伏見稲荷には及びませんが、平坦な参道にある千本鳥居としては東京で一番雰囲気が近いですね。

鳥居の先には奥宮と稲荷山への階段があります。
【稲荷山と奥之宮】ご神砂を拝受できる奥之宮と境内を見渡す神聖な稲荷山

階段の造りはビルのような感じですが、頂上には御嶽神社があります。

意外と稲荷山の高さがあるのでびっくりしました。降りてみて気が付いたのですが、会津にさざえ堂というのがあります。同じように二重らせん構造でつくられた塔があり一方通行でぐるぐると回りながら塔を登って、そのままぐるぐると降りていけます。登る人と降りる人がすれ違わないよく考えられていると思いました。
稲荷山を降りると、更に狐塚、航空稲荷、御神穴などがあります。
【境内の末社】多彩なご神徳を授かる個性豊かな境内末社

社領内には、いくつかの社殿が祀られており、いずれもお狐様に守られています。
上記リンク先に東京の千本鳥居がある神社をまとめましたので、ご参考になれば幸いです。
【穴守稲荷神社 御朱印】

【穴守稲荷神社の現地参拝レポート&評価】
穴守稲荷神社 現地レビュー・評価スコア
| 評価項目 | スコア | 特徴・ワンポイント |
|---|---|---|
| アクセス | (5.0) | 京急空港線「穴守稲荷駅」から徒歩約3分。羽田空港からも電車・車で至近の抜群のロケーション |
| 御朱印種類 | (5.0) | 通常の御朱印や奥之宮の御朱印、行事・季節限定の御朱印に加え、航空会社コラボ等センス溢れる御朱印帳が充実 |
| 静けさ | (4.0) | 空港や駅から至近距離にありながら、朱塗りの一の鳥居を潜ると穏やかで心地よい清涼な静寂が広がる |
| 歴史・由緒 | (4.0) | 文化11年(1814年)創建。堤防の穴を守る稲荷から始まり、激動の羽田の歴史と航空安全の信仰を繋ぐ古社 |
| 規模 | (3.5) | 朱塗りの千本鳥居、稲荷山、奥之宮、招福砂を授かれる「神砂持ち帰り所」など多彩な見どころが揃う境内 |
| 自然・景観 | (3.0) | 住宅街と調和した境内に鮮やかな朱塗りの鳥居や社殿が映え、稲荷山の上からは羽田の街並みを一望できる |
現地レポ|実際に訪れた感想
とてもきれいに手入れをされていて愛されている神社だと思います。稲荷は地域と地元の商売に繁栄をもたらすと言われており、歴史的に見ても、この地帯は漁業や農作が盛んだったようです。その為、小さい稲荷神社が多数あり稲荷7社めぐりのイベントもあるようで地域に根付いているようでした。
【あわせて巡りたい周辺観光スポット】
【旧一の大鳥居】羽田空港の歴史と深いゆかりを今に伝えるシンボルの大鳥居

GoogleMapでは穴守稲荷の旧一の大鳥居となっていますが、穴守稲荷とは反対側を向いており鳥居の先には神社は無い・鳥居に鈴を取り付けているなど神社好きの方からすると違和感があります。恐らく旧穴守稲荷神社が放棄した一の鳥居を別団体により再建した物と思われ現在の穴守稲荷神社と一切関係無いと思われます。アメリカ軍による強制移住の爪痕でしょうか・・・ただ場所としては見晴らしが良く元旦、日の出は大変混雑するそうです。
【羽田七福いなり】白魚稲荷神社と鴎稲荷神社が鎮座する七福いなり巡りの霊地

穴守稲荷から旧一の大鳥居に向かう途中に羽田七福神のひとつ白魚稲荷神社(しらうおいなりじんじゃ)があります。初漁の白魚を奉納した神社だそうです。周囲は道路と住宅地・敷地は駐車場と扱いが残念です・・・。

穴守稲荷神社から徒歩10分程度の場所に鴎稲荷神社があります。漁師が祈願すると鴎の大群が飛来し、大漁になったと伝えられ、その由緒から鴎稲荷神社と呼ばれるようになったそうです。

神社猫がお迎えしてくれました。ありがとうございます。
羽田空港、羽田神社
Kanataの神社・お寺めぐりナビ

