赤羽八幡神社【東京都】

東京都北区 赤羽八幡神社の荘厳な社殿

【赤羽八幡神社 概要と歴史】

東京都北区赤羽台に鎮座する「赤羽八幡神社」。社殿が立つ丘の真下を東北・上越新幹線のトンネルが貫通していることで知られ、全国唯一の「新幹線の線路の上に鎮座する神社」として鉄道ファンにも親しまれています。また、「下元8運」にちなむ「無限大(∞)」をあしらったお守りや限定御朱印は勝運・幸運を呼ぶとして絶大な人気を誇ります。

【歴史と由来】坂上田村麻呂ゆかりの武蔵野台地に立つ古社

赤羽八幡神社(あかばねはちまんじんじゃ)の創建は平安時代初期(延暦年間:782年〜806年)と伝えられています。征夷大将軍であった坂上田村麻呂が、784年(延暦8年)奥州鎮圧の際にこの地に陣を張り、武運長久を祈って八幡三神を勧請したのが始まりとされています。その後源頼光、源頼政、太田道灌と太田一族により再興され、かつては広大な神域を誇りましたが、軍用道路や鉄道(現在の埼京線・新幹線)の建設に伴い、現在の形に整備されました。

【坂上田村麻呂?】

坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)は、平安時代初期の武将で、桓武天皇の命により初代「征夷大将軍」として東北地方へ遠征し、アテルイらの蝦夷(えみし)を制圧した人物です。胆沢城(現在の岩手県)を築いて東北支配の基盤を固め、清水寺(きよみずでら)の創建者とも伝えられています。

【ご祭神とご利益】勝運や厄除けを授ける八幡三神のご神徳

ご祭神は、品陀和気命(ほんだわけのみこと)=応神天皇(おうじんてんのう)、仲哀天皇(ちゅうあいてんのう)、神功皇后(じんぐうこうごう)の三柱を祀っております。

新幹線が見える赤羽八幡神社!本物そっくりの駅名標看板
  • 勝運守護・厄除け(開運):創建に関わったとされる坂上田村麻呂が武運を祈願したことや、歴代の武将(源頼光や太田道灌など)からの信仰を集めた歴史から、勝負運、仕事運、厄除け・方位除けのご利益で知られています。
  • 縁結び・恋愛成就:境内にある末社の「大国主神社(御祭神:大国主命 / 大黒様)」は、縁結びのパワースポットとして親しまれています。傍らには縁を取り持つ白兎の石像もあります。
  • 学問の神様(合格祈願):境内にある末社「北野神社」には、学問の神様である菅原道真公が祀られています。
  • その他のご利益:交通安全や家内安全など、生活全般の守護としても広く信仰を集めています。

【赤羽八幡神社の見どころ&参拝ルート】

日本で唯一!「新幹線の上に鎮座する神社」

最大の理由は、境内のすぐ真下(社務所の下)を新幹線のトンネル(赤羽台トンネル)がぶち抜いて走っているという極めて珍しい構造にあります。東北・上越新幹線を開通させる際、ルートの都合上どうしてもこの高台を通過せざるを得なくなり、協議の末に「神社の境内下にトンネルを通す」という前代未聞の設計が実現しました。

東京都北区赤羽八幡神社 新幹線が見える風景

標高約20メートルの高台にある境内(特に境内奥の展望スペースや、坂の途中にある鳥居付近)からは、眼下に広がる広大な線路を一望できます。 運行本数が非常に多いため、タイミングが良いと「新幹線同士のすれ違い」や「新幹線と埼京線の並走」など、最大3本の列車が同時に行き交う奇跡的な瞬間を拝めることもあります。

【参道と裏参道の大鳥居】趣の異なる表参道と裏参道の大鳥居

東京都北区 赤羽八幡神社の鳥居と参道風景

赤羽駅から高架沿いを進むと「八幡神社入口」の看板が見え、そこから道が分かれます。階段ルートと坂道ルートの2つがあります。

東京都北区 赤羽八幡神社の裏参道の鳥居

坂道ルートは、車で高台の境内(駐車場)にアクセスするための道路であり、大きな鳥居が建てられています。運が良ければ裏参道の鳥居の間から、ちょうど走ってくる新幹線が見れるようです。私は鉄道には興味が無いのでパス。

東京都北区 赤羽八幡神社の表参道の鳥居

階段ルートは、分かれ道から右に進むと鳥居が見えてきます。更に進むと本殿正面へと続く急な石段があります。

東京都北区 赤羽八幡神社の表参道階段

参道を登りきると、社殿の正面に鳥居が建っています。

【社殿】高台から街を見守る荘厳な本殿・拝殿

東京都北区 赤羽八幡神社の荘厳な社殿

何度か再建の記録があり、直近では関東大震災で一度倒壊しましたが、氏子たちの協力により再建されています。現在の社殿は1931年(昭和6年)に修理・復興されたものです。

東京都北区 赤羽八幡神社の荘厳な社殿彫刻

本殿・幣殿・拝殿は、これらが一体となった権現造の構造を採用しており、拝殿の内部には美しい彫刻や格天井(ごうてんじょう)が施され昭和初期の神社建築の意匠を現代に伝えています。

【神楽殿と境内末社】伝統を伝える神楽殿と個性豊かな末社群

東京都北区 赤羽八幡神社の神楽殿

社殿に向かって右側には神楽殿が建てられています。この神楽殿は「絵馬堂」も兼ねており、歴史ある絵馬が納められています。毎年9月中旬に開催される例大祭では、神楽殿の正面が大きく開放され、笛や太鼓の伝統的なお囃子の音色とともに、神楽面や華やかな衣装を身にまとった踊り手たちによって格式高い「神楽」が奉納されます。

東京都北区 赤羽八幡神社の境内末社鳥居

社殿の左側には、地域で信仰されてきた様々な神々を合祀した末社が並んでいます。 鳥居を潜り正面に見える末社合祀殿があり、向かって右から左に向けて以下の順番で並んでいます。

【末社】

1. 北野神社(一番右:すぐ近くに「なで牛」の石像があります)

2. 御嶽神社

3. 阿夫利神社

4. 大山神社

5. 住吉神社

6. 稲荷神社(前に小さなお狐様の像があります)

7. 疱瘡神社

8. 大国主神社(大國主神社)(一番左:すぐ近くに大黒様と因幡の白兎の像があります)

東京都北区 赤羽八幡神社の末社合祀殿

北野神社(きたのじんじゃ) は、平安時代の学者・政治家であり、「学問の神様」として全国で最も広く信仰されている菅原道真公(すがわらのみちざね) を祀っております。社殿の左奥には「なで牛」の石像が横たわっており、この牛の頭をなでてから自身の頭をなでると、知恵が授かり学業成就や合格のご利益があるとされています。受験シーズンには多くの学生が訪れる人気のスポットです。

東京都北区 赤羽八幡神社のなで牛像2
東京都北区 赤羽八幡神社のなで牛像1
【なで牛が2体ある理由】

赤羽八幡神社の北野神社の前になで牛が2体並んでいる理由は、公式な一説として明記されていませんでした。

なで牛は、道真公の遺骸を運んだ牛が座り込んで動かなくなったという逸話(臥牛伝説)に基づいているため、「神様の神聖な使い」として、まずは境内に1体お祀りするのが基本です。全国にある小さな菅原神社や天満宮の多くは、今でも境内にポツンと1体だけなで牛が鎮座しています。湯島天神と同様にもともとあった石造りの古い牛を大切に残しつつ、後からブロンズ製の立派な牛が奉納されたことで、結果的に「2体並ぶ形」になったと思われます。

赤羽八幡は、「大国主神社(因幡の白兎)」をはじめ、境内全体で縁結び・良縁のご利益がとても篤い神社です。この2体の牛も「学業成就」の象徴であると同時に、お互いを引き立て合う「夫婦」や「親子」として、ご自身の願いに合わせて自由に解釈し、寄り添うのが、一番素敵な参拝の形かと思いました。

東京都北区 赤羽八幡神社の因幡の白兎像

大国主神社(おおくにぬしじんじゃ)は、 出雲大社の御祭神としても有名な、日本を代表する「縁結びの神様」です。お社の前には、神話『因幡の白兎』にちなんだ「大黒様と因幡の白兎」の可愛らしい石像が並んで立っています。参拝の際は、出雲大社と同じ「2礼4拍手1礼」でお参りするのが習わしです。

【因幡の白兎?】

「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」は、『古事記』に登場する日本最古の神話の一つです。サメを騙して皮を剥がされ、痛みに泣いていた白うさぎが主人公。大国主命(大黒様)の兄神たちから意地悪な嘘を教えられ悪化しますが、最後に通りかかった大国主命が「真水で洗い、蒲の花粉の上に寝る」という正しい治療法を授け、うさぎを救います。

恩を感じたうさぎは、大国主命が美しい姫と結ばれることを予言し、日本最初の「縁結びのキューピッド」となりました。

うさぎは大国主命と八上比売の仲を取り持ったため、日本で最初の「恋のキューピッド(縁結びの神使)」とされています。赤羽八幡神社の大国主神社が縁結びのご利益を持つのはこのためです。

東京都北区 赤羽八幡神社の古峯神社

古峯神社(ふるみねじんじゃ)は、栃木県鹿沼市にある、天狗信仰で有名な「古峯神社」の御分霊です。江戸時代から明治時代にかけて、火災から町を守る「火伏せの神」として関東一円で篤く信仰され、赤羽の氏子たちによって境内に祀られました。ご祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀っております。

東京都北区 赤羽八幡神社の猿田彦庚申塔

猿田彦庚申塔(さるたひここうしんとう)は、もともとは旧板橋街道沿いに散らばって祀られていた石碑群ですが、数々の移築を経て平成29年(2017年)に赤羽八幡神社の境内へと移されました。

自然石に大きく「猿田彦太神」と文字が刻まれた碑(嘉永4年/1851年建立など)が並んでいます。これらは交通安全だけでなく、物事を良い方向へと導く「みちひらき」の強いご利益があるとされています。他にも庚申信仰の仏教側のご本尊である「青面金剛」の姿や、足元に踏みつけられた邪鬼、そして庚申の象徴である「三猿(見ざる・聞かざる・言わざる)」が刻まれた美しい石塔が遺されています。

東京都北区 赤羽八幡神社の作徳稲荷大明神

この神楽殿の隣の稲荷祠は、地元の歴史に詳しい人々の間では、かつて別の場所で信仰されていた「作徳(さくとく)稲荷大明神」などの狐像ではないかとも言われており、その地域独特の風習や奉納の形がそのまま残された貴重な姿だと思われます。稲荷祠の神狐の像は、全身が赤色の塗料で塗られており全国的にも珍しいと思います。ただ、塗装が年月共に剥げてきて、やや不気味になっています・・・

東京都北区 赤羽八幡神社の稲荷像

他にも近隣から遷座してきたお稲荷様が社務所の下などに小さな狐像として集められています。

【赤羽八幡神社 御朱印】

東京都北区 赤羽八幡神社の御朱印

風水の「下元八運」サイクルに基づき、無限大マークをあしらったお守りや絵馬・御朱印が授与されており、SUPER EIGHT(旧関ジャニ∞)ファンの間で「エイト神社」と呼ばれているようです。

【赤羽八幡神社の現地参拝レポート&独自評価】

赤羽八幡神社 現地レビュー・評価スコア

評価項目 スコア 特徴・ワンポイント
アクセス (4.5) JR「赤羽駅」および東京メトロ南北線「赤羽岩淵駅」の双方から徒歩約7分と利便性が高い
御朱印種類 (4.5) 月替わりの鮮やかなデザインや「無限大(∞)」モチーフの御朱印など非常に多彩で大人気
歴史・由緒 (4.0) 平安初期の延暦8年(784年)、坂上田村麻呂の陣立伝承に始まる赤羽郷の鎮守として格式高い古社
静けさ (3.5) 赤羽台の高台に位置し、眼下を新幹線や列車が走り交う独特のロケーションながら境内は穏やか
自然・景観 (3.0) 境内の直下を東北・上越新幹線のトンネルが貫通する、全国的にも珍しいトレインビューの景観
規模 (3.0) 本殿・拝殿のほか、複数の境内社(招魂社・大公望社など)が丘の上にまとまった整然とした境内

現地レポ|実際に訪れた感想

赤羽台地の高台にあるため、参道の階段や坂道を登りきった瞬間に視界が開ける爽快感があります。しかし、赤羽八幡神社は、単なる「鉄道が見える珍しい神社」ではありませんでした。古くからこの地域を守ってきた神主さんや氏子さんたちの深い信仰の歴史(末社や神楽殿、庚申塔)がベースにしっかりとあるからこそ、その真下を新幹線が突き抜けるという大胆な現代インフラが、奇妙に、そして美しく調和しています。カメラを構える鉄道ファンも、合格を願う受験生も、静かにお参りする地元の方も、みんながそれぞれの目的を持ってこの高台の心地よい風に吹かれている、とても懐が深くエネルギーに満ちた神社でした。

【あわせて巡りたい周辺観光スポット】

静勝寺、王子稲荷神社、王子神社

【基本情報・アクセス】


【電車・車でのアクセスと駐車場】

※無料駐車場あり

JR「赤羽駅」北改札(西口)から徒歩約7分程度

東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道「赤羽岩淵駅」から徒歩約7分程度

【住所・公式ホームページ】

〒115-0053 東京都北区赤羽台4丁目1−6

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