【王子神社の概要と歴史】
東京都北区王子本町に鎮座する王子神社。この神社にちなんで周辺の一帯が「王子」と呼ばれるようになり、地名の発祥となった神社です。徳川将軍家からも格式高い神社として崇敬を受け、明治維新時には「東京十社」の一社に定められました。境内には髪の毛の悩みにご利益がある全国的にも珍しい「関神社(髪の神様)」や、都指定天然記念物の大イチョウがそびえ立ち、開運・厄除け・髪病平癒のパワースポットとして親しまれています。
【歴史と由来】紀州熊野より勧請され「王子」の地名の由来となった東京十社の神社
王子神社(おうじじんじゃ)は、東京都北区王子本町に鎮座する旧武蔵国豊島郡の古社です。古くは「王子権現」と称され、現在の「王子」という地名の由来となった社として名高く知られます。
創祀の正確な年代は詳らかではありませんが、平安時代中期の西暦1058年頃から1065年頃(康平年間)には既にこの地に祀られていたと伝わります。前九年の役で奥州へ向かう源頼義・義家父子が参拝して戦勝を祈願し、凱旋の際に甲冑を奉納したと語り継がれています。その後、鎌倉時代末期の西暦1322年(元亨2年)、当地の領主・豊島氏が社殿を再興し、紀州熊野三社より「王子大神」をお迎えして手厚くお祀りしました。これにより当地の村名が「王子村」と改められ、地域の歴史の礎が築かれました。※当サイトでは再興年を創建年としています。
同じ北区にある平塚神社も、源義家が奥州征伐(後三年の役など)の帰路に立ち寄り、武具を納めたという伝説が残っています。
・王子神社には「戦勝報告」のために寄り、兜を置いた。
・平塚神社には「休息と交流」のために寄り、鎧を贈った。
現在、この2つの神社の間は「本郷通り」という道で繋がっており、歩いて15分〜20分ほどです。義家が馬で駆け抜けたであろうルートを、今の私たちも散策コースとして楽しむことができます。
江戸時代には徳川家康公より社領二百石を寄進され、徳川将軍家の祈願所として崇敬を集めました。第8代将軍・徳川吉宗公が飛鳥山を寄進したことで一帯は行楽の勝地となり、明治時代には准勅祭社、現在では「東京十社」の一社として深い歴史を現代に伝えています。
【ご祭神とご利益】王子大神が授ける開運招福・厄除け・子育大願のご神徳
ご祭神は伊邪那岐命(いざなぎのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)、天照大御神(あまてらすおおみかみ)、速玉之男命(はやたまのおのみこと)、事解之男命(ことさかのおのみこと)の五柱となり、総称して「王子大神」と呼ばれています。
- 開運招福・運気上昇・大願成就:熊野三社の深いお力と豊島氏や徳川将軍家から手厚く崇敬された歴史から、運気を切り拓き大願を成就へと導きます。
- 厄除け・災難除け・家内安全:源頼義・義家父子が戦勝を収めた強い神徳により、身に降る災難や悪運を払い除けて家庭の平穏を守ります。
- 子育・開運・長寿:御子神(若一王子)をお祀りする由緒や境内の大イチョウ(天然記念物)の生命力にあやかり、子どもの健全な成長や長寿をもたらすとされています。
【王子神社の見どころ&参拝ルート】
【参道と王子駒犬】緑あふれるアプローチと歴史を物語る独特な表情の狛犬

戦災で焼失した神門の場所に石造りの鳥居が再建されています。石造りの鳥居としては都内有数の大きさです。

鳥居から拝殿までの境内はそれ程広くはないのですが、境内は立ち並ぶ緑豊かな木々と心落ち着く場所です。

王子神社の狛犬は、がっしりとした体格で勇ましく、古くから親しまれています。参拝の際は、その堂々とした姿もぜひ近くで見てみてください。
【社殿と神輿】徳川将軍家ゆかりの格式を伝える荘厳な社殿と大神輿

拝殿も1945年に戦災でほとんどを失いながらも戦後に復興され、柱や幕の白、飾り金具の金と渋い色調で、江戸時代の徳川将軍家の崇敬を反映した威厳ある姿を取り戻しています。

鳥居をくぐって左手に立派なお神輿が展示されています。
【関神社】髪の毛の神様を祀る全国的にも大変珍しい境内末社

関神社(せきじんじゃ)は理容業界の神様で髪の祖神です。戦災で焼失したものを、昭和36年に理容、美容業、かつら屋さんなどが髪の供養と恩返しから再建した神社です。再建に尽力した人やかつら店などの名前が彫られていました。髪の毛にご利益があるかもしれませんので不安な方はぜひ訪れてみてください。
ご祭神は百人一首でも有名な蝉丸公(せみまるこう) となっております。
【大イチョウ】樹齢数百年の歴史を誇る東京都指定天然記念物の大銀杏

推定樹齢は600年以上といわれ、1322年(元亨2年)の再興当時に植えられたという説もあります。昭和20年の戦災で周辺の社殿などが焼失する中、この大イチョウだけは力強く生き残り、戦後の復興を見守ってきました。現在は東京都の天然記念物に指定されています。
【音無親水公園】境内に隣接し旧音無川の渓谷美を再現した風情あふれる公園
音無親水公園(おとなししんすいこうえん)は日本の都市公園100選にも選ばれている公園です。遊歩道は春は桜、夏は緑影、秋は紅葉と四季折々の景色が楽しめます。水量が少ない川は子供たちの水遊び場となっており、古風な木製橋(舟串橋)も架かる自然に恵まれた美しい公園です。
神社だけでなく近くにある音無親水公園と合わせて参拝すると良いと思います。
【王子神社 御朱印】

御朱印代金は決まっておりませんので参拝者のお心次第とのこと。私は500円を納めました。
【王子神社の現地参拝レポート&評価】
王子神社 現地レビュー・評価スコア
| 評価項目 | スコア | 特徴・ワンポイント |
|---|---|---|
| アクセス | (5.0) | JR京浜東北線・東京メトロ南北線「王子駅」より徒歩約3分。駅近で複数路線からスムーズにアクセス可能 |
| 御朱印種類 | (4.0) | 王子神社の達筆な通常御朱印をはじめ、東京十社めぐりの御朱印、限定御朱印、関神社(髪の神様)の御朱印など豊富 |
| 歴史・由緒 | (3.0) | 元亨2年(1322年)紀州熊野より勧請され、「王子」の地名の由来となった東京十社の一社 |
| 自然・景観 | (3.0) | 東京都指定天然記念物の巨木「大イチョウ」や石段参道、音無親水公園に隣接した緑ゆたかな景観 |
| 規模 | (3.0) | 石段の上の開けた境内に重厚な社殿、神楽殿、髪の神様として有名な末社「関神社」が配置された境内規模 |
| 静けさ | (2.0) | 駅や幹線道路(本郷通り)、線路から近く、参拝者も多いため都会的な活気があり賑やか |
現地レポ|実際に訪れた感想
派手さはありませんが、「歴史の重み」と「自然の癒やし」が絶妙なバランスで共存している神社です。大都会の中にありながらも、王子神社を中心に音無親水公園や飛鳥山公園、王子稲荷神社などがあります。行き交う路面電車を眺めつつ 旧古賀庭園辺りや、その先の七社神社まで散策すると休日のひとときを寛ぐにはもってこいだと思いました。
【あわせて巡りたい周辺観光スポット】
音無親水公園、飛鳥山公園、紙の博物館、飛鳥山博物館、渋沢資料館、旧渋沢庭園、飛鳥の小径、王子稲荷神社、七社神社、平塚神社、赤羽八幡神社、静勝寺
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