【常陸國總社宮の概要と歴史】
茨城県石岡市に鎮座する「常陸國總社宮」。かつて常陸国の国府が置かれたこの地にあり、常陸国内の主要な神々を合祀して創建された格式高い総社です。毎年9月に開催される例大祭「石岡のおまつり(常陸国総社例大祭)」は関東三大祭りの一つとして全国的に知られており、数多くの山車や獅子舞が繰り出し大変な活気と熱気に包まれます。平穏な佇まいの中にも、古代からの歴史と人々の厚い信仰息づく茨城屈指の名社です。
【歴史と由来】常陸国の総社として石岡市に鎮座し伝統ある祭礼を伝える古社
常陸國總社宮(ひたちのくにそうしゃぐう)は、729年〜749年(天平年間)に創建。社伝(神社の言い伝え)では聖武天皇の命により、国家の鎮護として天神地祇(てんじんちぎ)の六柱を合祀したのが始まりと伝えられています。 境内には日本武尊の腰掛石があり、神社が建立されるずっと前から「神が宿る石」として崇められていました。この石があったからこそ、聖武天皇の時代にこの場所に総社が造営されたとも言われています。
【ご祭神とご利益】大己貴命をはじめとする六所大神が授ける開運招福・家内安全・縁結びのご神徳
ご祭神は、伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)、瓊々杵尊(ににぎのみこと)、大国主尊(おおくにぬしのみこと)、大宮比売尊(おおみやひめのみこと)、布留大神(ふるのおおかみ)の六柱の神々(六所明神)を祀っております。
八百万の神々が合祀されているため、非常に幅広いご神徳を授かることができます。
- 厄除開運・災難消除:主な御祭神の強大な神威、そして境内にあるヤマトタケルノミコトゆかりの「神石(天災や天変地異を退けたとされる)」の霊力により、身に降りかかる厄災を祓い、運気を切り開く強いご利益があるとされています。
- 勝運守護・武運長久:太田道灌などの名だたる武将たちが戦勝祈願に参籠した歴史があり、「勝負強さ」や「仕事運向上」を願う人々に篤く信仰されています。
- 良縁成就・夫婦円満:日本最初の結婚式を行ったとされる伊邪那岐命や、縁結びの神様である大國主神の御力により、恋愛だけでなく仕事や人間関係における素晴らしい良縁を結びます。
- 五穀豊穣・商売繁盛:地域の産業や商業の発展を見守る神々が合わせ祀られているため、家業繁栄やビジネスの成功にご利益があります。
【常陸國總社宮の見どころ&参拝ルート】
【参道と手水舎】厳かな雰囲気に包まれた参道を進み、身を清める清潔な手水舎
参道は旧参道、表参道、本殿側に出る参道の3つあると思われます。写真は本殿側に出る参道ですが、気持が良い参道で自然にこちらを歩てしまいました。

「石岡城(府中城)」の跡地の一部や、かつての常陸国府の重要な区画に隣接していたと考えられ、当時の敷地の制約に合わせて造営された名残と思われます。

門の手前で身を清める場所も、この折れ曲がった動線の中に配置されています。近年から常陸國總社宮では季節ごとに趣向を凝らした花手水が行われており、参拝者の目を楽しませていました。
【奉納相撲の土俵】歴史ある伝統行事の舞台として境内に息づく奉納相撲の土俵

随神門のすぐ脇には土俵があり、現在も例大祭(石岡のおまつり)の際には奉納相撲が行われます。
【随神門・境内と御神木】鮮やかな朱塗りの随神門、広々とした境内、そして堂々たる佇まいの御神木

1627年(寛永4年)頃に再建された、境内最古の建造物の一つで、現代の神社では珍しい茅葺(かやぶき)屋根となっており、独特の趣と風格を感じさせます。かつて奉納相撲が盛んだった名残として、天井には江戸時代の相撲番付が貼り付けられています。

随神門をくぐってから右に90度曲がった先に社殿が構えられています。参拝者は門をくぐった瞬間に正面に社殿が見えるのではなく、一歩進んでから全貌が現れるという、空間構成になっていました。

御神木の樹齢は、およそ600年と推定されています。幹が太く、枝葉が大きく広がっており、一年中青々とした葉を蓄えている常緑樹です。その生命力の強さから、延命長寿や無病息災の象徴として崇められています。この木があることで、境内全体が深い森の中にいるような、厳かで清浄な空気感に包まれています。
【社殿】境内の中核をなし重厚な佇まいで参拝者を迎える荘厳な社殿
現在の社殿は、1627年(寛永4年)に再建された物で、江戸初期らしい、落ち着いた中にも精緻な彫刻が施されており、当時の建築技術の高さがうかがえます。

社殿正面には、筑波山が見えるようになっており、腰掛石と合わせているのかもしれませんね。現在は、石岡市の指定有形文化財に指定されております。
【日本武尊の腰掛石と末社群】神話のロマンを伝える日本武尊の腰掛石と、境内にひっそりと鎮座する個性豊かな末社群
拝殿の脇にあり、東征の際に日本武尊が腰を掛けて筑波山を眺めたと伝わる神石です。

今から約1900年前、第12代景行天皇の皇子である日本武尊が東国を平定するためにこの地(常陸国)を訪れた際、この石に腰を下ろして休息をとったと伝えられています。

拝殿の左側(西側)に整然と並んでおり、「十二末社(じゅうにまっしゃ)」として親しまれています。鹿島神社、静神社、吉田神社、酒列磯前神社・大洗磯前神社、稲荷神社など、計12の社が並んでいます。
【一年安鯛みくじ】愛らしい姿が人気を集めるユニークな「一年安鯛みくじ」

常陸國總社宮の「一年安鯛(いちねんあんたい)みくじ」は、釣り竿を使って鯛の形をしたおみくじを釣り上げる、可愛らしくて縁起の良いおみくじです。赤や金などの鯛があり、尾の部分におみくじが入っています。釣った鯛は持ち帰って自宅のインテリアやお守りにできます。尻尾の部分におみくじが入っています。
【常陸國總社宮 御朱印】


手塚治虫氏のご先祖(手塚家)は、江戸時代に常陸府中藩(現在の石岡市)に仕えた藩医(お抱え医師)でした。石岡市が「手塚家ゆかりの地」であることから、街のシンボルである総社宮とのコラボレーションが始まり2014年頃から、手塚プロダクションの協力により、公式の授与品が登場するようになりました。
【常陸國總社宮の現地参拝レポート&独自評価】
常陸國總社宮 現地レビュー・評価スコア
| 評価項目 | スコア | 特徴・ワンポイント |
|---|---|---|
| 歴史・由緒 | (4.0) | かつての常陸国府が置かれた石岡に鎮座し、国内の主要な神々を祀る格式高い総社 |
| 静けさ | (4.0) | 石岡の市街地にありながら、境内は緑に囲まれ落ち着いた静寂な空気が漂う |
| 御朱印種類 | (4.0) | 伝統的な朱印のほか、祭事や季節に合わせた多彩で美しい限定御朱印が授与される |
| 自然・景観 | (3.5) | 歴史ある社殿や美しい木々が調和し、手入れの行き届いた心地よい境内景観 |
| 規模 | (3.5) | 広々とした境内に重厚な本殿や神楽殿、社務所などがバランスよく配置されている |
| アクセス | (3.0) | JR常磐線「石岡駅」から徒歩約10〜12分。駐車場も完備されておりアクセス良好 |
現地レポ|実際に訪れた感想
腰掛石や、それを見守る樹齢600年の御神木など1900年以上前の英雄がここで筑波山を眺めたという伝承は、単なる知識ではなく境内の静寂の中でリアルな物語として伝わってきます。御神木を中心に非常に気持ちが良いく清浄な空気感に包まれていました。また腰掛石はよく見ると、キラキラ光っているので何らかの特殊な石なのかもしれません。
【あわせて巡りたい周辺観光スポット】
常陸風土記の丘、胎安神社、素鵞神社、愛宕神社(笠間)、筑波山神社、中禅寺
Kanataの神社・お寺めぐりナビ

