【石神井氷川神社の概要と歴史】
東京都練馬区の石神井公園に隣接して鎮座する「石神井氷川神社」。室町時代の文明年間(1469〜1487年)、当時この地を治めていた石神井城主・豊島氏によって武蔵国一宮の氷川神社から勧請されたと伝えられる、石神井郷の総鎮守です。目の前に広がる都立「石神井公園」の三宝寺池や豊かな雑木林の自然と一体となり、武蔵野の面影を色濃く残す見事な景観を誇ります。四季折々の緑や野鳥のさえずりに包まれながら、歴史と自然を満喫できる練馬屈指の癒やしスポットです。
【歴史と由来】武蔵野の古社として豊島氏の崇敬を集めた練馬の総鎮守
石神井氷川神社(しゃくじい ひかわじんじゃ)の創建は室町時代の応永年間(1394年-1428年)とされています。この地を治めていた領主・豊島氏が、自らの居城である石神井城の中に、城の守護神として武蔵国一宮である大宮の「氷川神社」から御分霊を勧請(かんじょう)したのが始まりです。神社のすぐ北にある「三宝寺池」は、当時から非常に貴重な水源だった為、この重要な水を守るという意図もあったと考えられます。
【ご祭神とご利益】素盞鳴尊が授ける厄除け・開運招福・家内安全のご神徳
ご祭神は、氷川三神(ひかわさんしん)と呼ばれる以下、三柱の神様が祀られています。
須佐之男命(すさのおのみこと)、稲田姫命(いなだひめのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)別名・大国主命(大黒様)
【石神井氷川神社の見どころ&参拝ルート】
【境内と社殿】豊かな緑に包まれた静寂な境内と重厚な佇まいの社殿

鳥居を潜ると正面に社殿が見えます。

境内は比較的コンパクトな作りですが、背後の2,000坪を超える深い森に抱かれるように建っており都会の神社では味わえない奥行きと神秘性があります。

現在の社殿は、1972年(昭和47年)に氏子たちの多大な寄進によって大改修(造営)されたものです。江戸時代の伝統を継承しつつ、非常に手入れの行き届いた清々しい姿を保っています。
【境内末社】境内にひっそりと鎮座する個性豊かな摂末社群
境内から三宝寺池方面への参道に向かう途中に境内末社があります。

北野神社、御嶽神社(みたけじんじゃ)、阿夫利神社(あふりじんじゃ)、三峯神社(みつみねじんじゃ)、浅間神社(せんげんじんじゃ)、稲荷神社が祀られております。
【石神井公園(三宝寺池)と境外末社めぐり】
【石神井公園(三宝寺池)の概要】豊かな自然と湧水が残る歴史ある都立公園の景観
石神井公園(しゃくじいこうえん)は、東京都練馬区にある都立公園で大きく「三宝寺池(さんぽうじいけ)」と「石神井池(しゃくじいいけ)」の2つの池を中心に広がっています。三宝寺池は古くからの湧水池で、国の天然記念物「三宝寺池沼沢植物群落」があります。周辺には石神井氷川神社、厳島神社、石神井城跡、姫塚などが集まっています。

今回は、主に三宝寺池周辺をメインに記載しております。
かつて「武蔵野三大湧水池」の一つに数えられた清らかな水面。木道が整備されており、水辺を間近に歩けます。

石神井氷川神社から三宝寺へ向かうと鳥居が見えてきます。
【境外末社(厳島神社・宇賀神社・水神社)】三宝寺池のほとりに鎮座する由緒ある境外末社

三宝寺池厳島神社(さんぽうじいけ いつくしまじんじゃ)は、豊島氏が、石神井川の源流である三宝寺池の守護神として、石神井氷川神社と同じ応永年間(1394年-1428年)に広島の厳島神社から勧請したのが始まりとされています。

ご祭神は、市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)=弁財天(弁天様)を祀っております。

宇賀神社(うがじんじゃ)は、三宝寺池の北岸、厳島神社のすぐそばにあります。この神社の創建年は、記録が残っていないため不明でしたが、石神井氷川神社や三宝寺池厳島神社が創建された「応永年間」に、同じく城の守護や水源守護として整えられたという説が有力と思われます。
ご祭神は、宇賀神(頭が老人で体が蛇の姿)を祀っております。
東京都台東区の上野恩賜公園内にある、不忍池辯天堂(しのばずのいけべんてんどう)のお堂正面に宇賀神(うがじん)像があり、こちらは参拝可能です。

この洞窟には、三宝寺池の主である大蛇が住んでいるという噂が古くからあり、宇賀神が祀られているのは、この「主」への恐れと敬意の表れではないかと思われます。

水神社(すいじんじゃ)は、厳島神社のすぐ近くにあります。この神社の創建年も不明ですが、石神井氷川神社や厳島神社が建立されたのと同時期に、水辺を鎮める神として整備されたと思われます。
ご祭神は、罔象女神(みずはのめのかみ)を祀っております。
日本神話(古事記・日本書紀)に登場する、日本を代表する「水の女神」として知られており、田畑を潤す水をコントロールすることから、かつての石神井郷の農家の人々にとっては最も重要な神様の一柱だったと思われます。
【姫塚】豊島氏の悲話が残る静寂な森の中に佇む歴史ある史跡
姫塚(ひめづか)は、三宝寺池の北岸にあります。

伝説では、1477年に石神井城が落城した際、父・豊島泰経が黄金の鞍とともに池に沈んだ後、照姫も後を追って入水しました。それを不憫に思った村人たちが、彼女の亡骸を引き上げ、この場所に葬って松の木を植えたといわれています。
この松は「照姫の松」と呼ばれ、代々植え継がれてきました。なお、姫塚の近くにある木は、「ねりまの名木 シラカシ」であり「照姫の松」は、全く別の木です。照姫の松はシラカシから少し離れた「姫塚」の上に植えられているそうです。
【キッチンカー】参拝の楽しみとなる美味しいグルメやドリンクのキッチンカー
当日は、石神井氷川神社の裏側(三宝寺池へ続くエリア)にキッチンカーが来ていました。

神社の清々しい余韻に浸りながら、森の入り口でコーヒーや軽食を楽しむのは、最高のリフレッシュになりました。
【石神井氷川神社の現地参拝レポート&独自評価】
石神井氷川神社と石神井公園 現地レビュー・評価スコア
| 評価項目 | スコア | 特徴・ワンポイント |
|---|---|---|
| 自然・景観 | (4.5) | 石神井公園の豊かな水辺(三宝寺池・石神井池)や、鬱蒼とした鎮守の森が織りなす極上の武蔵野景観 |
| 静けさ | (4.0) | 公園の喧騒から一歩境内に踏み入れると、木々のざわめきと鳥のさえずりだけが響く厳かな静寂空間 |
| 歴史・由緒 | (4.0) | 文明年間(室町時代)に石神井城主・豊島氏が創建したと伝わる石神井郷の総鎮守 |
| 規模 | (3.5) | 神社自体の社殿や境内地に加え、広大な石神井公園エリア全体を含めて豊かな散策を楽しめる |
| アクセス | (3.0) | 西武池袋線「石神井公園駅」から徒歩約15分。公園の自然を感じながら歩いてアクセス可能 |
| 御朱印種類 | (3.0) | 伝統的な氷川神社の御朱印のほか、季節に応じた美しいデザインの限定御朱印なども授与される |
現地レポ|実際に訪れた感想
石神井氷川神社の境内は比較的小さく、とてもコンパクト。しかし、かつての石神井城の面影を宿したその場所には積み重なってきた時間の重みがあります。
神社の裏手に広がる三宝寺池へ向かえば、そこは都会であることを忘れさせるほど濃密な「森」の空気。木漏れ日が差し込む木道を歩き、湧水が育む原始的な自然に触れられる、東京で数少ないリフレッシュできる場所だと思います。
氷川神社の清々しい森、三宝寺の重厚な建築、そして三宝寺池の神秘的な水辺。この3つをセットで巡ることで、石神井の歴史が見える楽しい散策でした。
【石神井氷川神社 御朱印】

【あわせて巡りたい周辺観光スポット】
三宝寺、道場寺、石神井公園、練馬区立石神井公園ふるさと文化館
【石神井氷川神社を含む参考散策ルート】
散策ルートなどは以下にまとめましたので、ご参考になればと思います。
Kanataの神社・お寺めぐりナビ

