【日光東照宮 概要】
日光東照宮(にっこうとうしょうぐう)は、元和3年(1617年)に創建。江戸時代の元和2年4月17日(1616年6月1日)、徳川家康は現在の静岡市で死去されました。遺骸は久能山東照宮を建築し葬られましたが、翌・元和3年(1617年)に、二代将軍秀忠が家康本人の遺言から日光に改葬しました。
正式名称は地名などを冠称しない「東照宮」であり、日本全国の東照宮の総本社的存在です。久能山東照宮・上野東照宮と共に三大東照宮の一つに数えられています。他にも全国各地に存在しております。隣接する輪王寺、日光二荒山神社を含めた二社一寺は「日光の社寺」としてユネスコ世界文化遺産に登録されています。
御祭神は、江戸幕府初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現(とうしょうだいごんげん)を祀っております。

【日光東照宮 石鳥居(一の鳥居)】
石鳥居は江戸時代に造営され、高さ9.2メートルで日本最大規模でとなっています。海路・水路・陸路を使い15個の石を運び、積み上げて造られたそうです。

良く見ると継ぎ目がありますね。
【日光東照宮 五重塔】
塔の創建は1650年ですが雷雷による火災のため一度焼失。現在の塔は1818年に再建された物です。釘を使わない屋根の構造と併せて日本古来の建築技術に感心します。現在は国の重要文化財に指定されております。

塔の中心の懸垂式の心柱は、4層の部分より吊り下げられて振動を逃がす免震構造となっており、この構造は耐震性能に優れているため、東京スカイツリーにもこのシステムが応用されているそうです。

【日光東照宮 表門(仁王門)】

こちらの門から有料エリア(1名1,600円)になります。寛永十三年(1636年)の大造替の際に奈良東大寺の転害門の三棟造りを模したもので柱の上部には獏や象をはじめ六十六の彫刻が施されています。

また左右に仁王像が安置されているところから仁王門とも呼ばれています。現在は国の重要文化財に指定されています。
【日光東照宮 神厩舎(見猿、言わ猿、聞か猿の三猿の彫刻)】
表門を抜けると左手に神厩舎(しんきゅうしゃ)が見えてきます。神厩舎とは神様にお仕えする神馬(しんめ)をつなぐための建物です。

猿が馬を守るとされているところから、長押上には猿の彫刻が8面あり、人間の一生における出来事と戒めが猿として彫り込まれています。

もっとも有名な猿が『見猿、言わ猿、聞か猿』の三猿ですね。
【日光東照宮 銅鳥居(二の鳥居)】

日本で最初かつ最古の青銅製の鳥居です。1636年の寛永の大造営の際に徳川家光が奉納されました。ここからの風景は正面に陽明門が見えるため、沢山の方が撮影されていました。
【日光東照宮 国宝 陽明門】

陽明門(ようめいもん)は、日光東照宮の中でも特に象徴的な建物になります。霊獣や花鳥など約500もの彫刻が施され彩色や彫金など当時の技術の粋が集められており、一日中見ていても飽きないということから「日暮御門(ひぐらしもん)」と称されています。平成の大修理では約10億円(1辺約10cmの金箔が24万枚を貼り)修復されました。現在は国宝に指定されております。

他の神社ではお目にかかれないほど圧倒的な迫力ですね。門の天井に龍の絵画がとても美しくこちらも迫力がありました。

押し寄せる観光客の数に押されて、落ち着いてゆっくり観賞しにくいのが難点です・・・。
【日光東照宮 唐門】
「陽明門」をくぐると更にその先に白色と金色に輝く「唐門(からもん)」が眼に入ります。

創建は1617(元和3年)年・再建は1636年(寛永13年 )で将軍に直接会うことが許された幕臣や大名だけがこの門を通ることができたそうです。門前に賽銭箱が置いてあり、こちらから本殿に向かってお参りができます。こちらも現在は国宝に指定されております。

右側から東照宮の中に上がれますが内部は撮影は禁止となっていますのでご注意ください。白地に黒の見事な装飾の数々に圧倒されます。
【日光東照宮 御朱印】

【日光東照宮 眠猫と奥社参道】
奥社へ行く際、坂下門の下にある東回廊に施された彫刻「眠猫」があります。

日光に因んで日の光を浴びてうたた寝をしている猫は「猫が眠りにつくほど平和な時代」をあらわしたもので徳川幕府の安泰を象徴した彫刻とされています。

坂下門の先は歴代将軍のみが昇段を許された奥宮に続く207段の階段からなる参道になります。石段は一枚岩を加工し設置されており、石廊下の部分・階段の端の石柵も切り出した石ではなく、1枚の岩を削って丁寧に造られています。

お年寄りや子供には上るのはきついと思いますが、せっかく東照宮まで来たなら墓所まで行ってみたいものですね。
【日光東照宮 奥宮 拝殿】

東照宮の中でも一番高い位置にあり、元々は歴代徳川将軍しか立ち入ることが許されなかった最も神聖な場所になります。国の重要文化財に指定されております。落ち着いた色彩の拝殿で奥には家康公の宝塔(お墓)があります。
【日光東照宮 奥宮宝塔】
奥社宝塔に納められているのは徳川家康公の神柩(しんきゆう)で、建立依頼一度も開けられたことがないそうで、現在は高さ約5メートルの唐銅(からかね)製ですが、1622年の創建当初は木造で、1641年に石造となり、さらに1683年の大地震で破損した際に5代将軍徳川綱吉が唐銅製に造り変えたとのことです。

【日光東照宮 奥宮御朱印】

【日光東照宮 近くにある観光スポット】
日光二荒山神社、輪王寺、大猷院
【日光東照宮 アクセス】
管理人の感想
日本の学校では修学旅行先の定番ですので、来た事ある方は多いかと思います。私は過去何度か来ていますが修復工事後は初めてとなりました。漆や極彩色・柱などには数多くの彫刻が飾られて改めて見ても豪華絢爛な美しさは圧巻でした。国宝や重要文化財の建物が50棟以上もあり見所も圧倒的ですね。エンターテインメント性もあり自然崇拝の神道の建築物とは違う雰囲気も面白かったです。修学旅行生と海外の観光客が多いので9時前に到着すると良いと思います。