【駒込天祖神社の概要と歴史】
東京都文京区本駒込に鎮座する「駒込天祖神社」と「駒込富士神社」。天祖神社はに源頼朝公が奥州平定の途上に夢告を受けて神鏡を奉納し創建したと伝えられる旧駒込村の総鎮守です。一方、徒歩圏内にある駒込富士神社は加賀藩前田家上屋敷から移転された歴史を持ち、「江戸三大富士」の一つに数えられる立派な富士塚の上に本殿が鎮座しています。6月30日〜7月2日の山開き(初富士)では「一富士二鷹三茄子」の縁起物や駒込ナスが売られ、大勢の参拝者で活気に満ちあふれる江戸・東京の信仰文化を象徴する名所です。
【歴史と由来】源頼朝公の伝承に始まり駒込の地を見守る鎮守
駒込天祖神社(こまごめてんそじんじゃ)は、文京区駒込に鎮座する、1189(文治5)年創建の歴史ある古社です。社伝によれば、源頼朝公が奥州藤原氏討伐(奥州合戦)の途上にこの地に陣を敷いた際、神明(天照皇大神)を祀るよう促す不思議な「夢のお告げ」があり、それに従って天照皇大神を勧請して祀ったのが始まりとされています。
江戸時代には「駒込神明宮」などとも称され、中山道の宿場町や周辺の鎮守として多くの人々に崇敬されてきました。かつて境内には、目通り(幹の太さ)が直径1.2メートルにもおよぶ堂々とした神木がそびえ立っていましたが、そのご神木が枯死したことに伴い一時は神社の勢いも衰退の時期を迎えます。その後、氏子や地域の人々の手によって再興を果たしたものの、1945(昭和20)年の第二次世界大戦における東京大空襲により、社殿をはじめとする多くの建物が焼失するという甚大な被害を受けました。しかし、戦後の1954(昭和29)年に、地域の熱意と努力により現在の立派な社殿が再建され、今日に至っています。
現在では「伝馬の天祖神社」とも親しまれ、閑静な住宅街の一角にありながらも、緑豊かな境内は参拝客の心安らぐ憩いの場となっています。幾多の戦災や苦難の歴史を乗り越えて蘇ったその力強い歩みは、地域の守護神としての深い信仰心を今に伝えています。
【ご祭神とご利益】天照大御神が授ける開運招福・家内安全のご神徳
ご祭神は、天照皇大神(あまてらすすめおおみかみ)を祀っております。東京には他にも天照皇大神を祀っている神社が各所にあります。
- 国家安泰・家内安全・地域守護:最高神・天照皇大神のお恵みにより、家庭の平安や子孫繁栄、地域社会の平和と安全を守る大きな御神徳があります。
- 開運招福・光輝発展:太陽のようにすべてを明るく照らす御神徳から、運気を拓き、あらゆる事柄を良い方向へ導く開運・発展のご利益があるとされています。
- 勝運・目標達成(源頼朝公の伝承):源頼朝公が夢のお告げにより奉斎し、その後の奥州平定を成し遂げたという創建の由緒から、勝負事の勝利や事業・目標の成就の祈願にも親しまれています。
- 災難除け・復興・再生のパワー:ご神木の枯死による衰退や東京大空襲での焼失といった激動の歴史・苦難を乗り越え、地域の熱意によって幾度も力強く蘇ってきた歴史から、災難を跳ね返し、苦境から立ち直る(再生・復興)パワーを授かるパワースポットとしても知られています。
【駒込天祖神社の見どころ&参拝ルート】
【参道】住宅街のなかにあり静寂に包まれた緑豊かな参道

鳥居から社殿へと続く参道の両脇にある銀杏並木が綺麗です。

賑やかなイチョウ並木の奥に、天照大神を祀る立派な社殿が見えてきます。狛犬は犬なんでしょうか・・・
【社殿】地域の人々に親しまれる荘厳な社殿

ご祭神が天照大御神であることから伊勢神宮の流れをくむ神明造りとなっております。左右に現在のご神木があります。

裏参道側も紅葉が綺麗でしたので、ぜひ立ち寄ってみてください。
【駒込天祖神社 御朱印】

御朱印には珍しく拝殿写真のシールが貼られており、季節に応じて変えているようです。秋は銀杏並木になっていました。
【駒込富士神社の概要と歴史】
【歴史と由来】江戸時代の富士講信仰を今に伝える富士塚の神社
駒込富士神社(こまごめふじじんじゃ)は、駒込天祖神社から徒歩5分ほどの場所に鎮座する、歴史ある神社です。この神社の正確な建立年は詳らかではありませんが、伝承によれば1573(天正元)年、本郷村の名主の夢枕に富士山の祭神である木花咲耶姫(このはなさくやひめ)が立ち、現在の東京大学の敷地にあたる場所に浅間神社(富士神社)の神霊を勧請したのがはじまりとされています。その後、明暦の大火などの都市開発や江戸の発展に伴い、1628(寛永5)年頃に現在地へと遷座したと伝えられています。
江戸時代には「富士信仰(富士講)」の広がりとともに、江戸市中における庶民の身近な参拝所として大いに栄えました。特に江戸にいながらにして富士山に登ったのと同様のご利益を得られる「富士塚」が築かれ、毎年7月1日の山開き(お山開き)の時期には、多くの参拝客や講中の人々で大変な賑わいを見せました。
現在でも、閑静な住宅街の一角にひっそりと佇む境内には富士山の溶岩(熔岩)を用いた歴史ある富士塚が残されており、文京区の登録有形民俗文化財にも指定されています。すぐ近くにある駒込天祖神社とあわせて巡ることで、江戸時代から続く下町の歴史と信仰のロマンを深く体感できる、知る人ぞ知る文京区のパワースポットです。
【ご祭神とご利益】木花咲耶姫命が授ける諸願成就のご神徳
ご祭神は木花咲耶姫(このはなさくやひめ)を祀っております。木花咲耶姫とは、日本神話に登場する女神で天照大御神の孫、瓊瓊杵尊の妻です。
- 安産祈願・子宝・子育:木花咲耶姫命が「産屋に火を放たれた中で無事に御子をお産みになった」という強い安産の故事から、安産祈願や子宝授かり・子育ての守護神として絶大な信仰を集めています。
- 火難除け・災難除け:猛火の中で無事に出産した逸話や富士山(火山)の鎮めとして祀られていることから、火事や火難除け、あらゆる災難から身を守る守護のご利益があるとされています。
- 縁結び・家庭円満:美しく心優しい女神様である木花咲耶姫命のお恵みにより、良縁の成就や夫婦円満、家庭の繁栄をもたらす神様として親しまれています。
- 開運招福・目標達成(富士信仰のパワー):境内にそびえる富士塚(文京区指定有形民俗文化財)は、富士山そのものの神気が宿るとされ、登拝・参拝することで富士登山と同等の開運・願望成就のご利益が得られるとされています。
【駒込富士神社の見どころ&参拝ルート】
【参道】山道を模した参道

大きな鳥居と正面に小山と階段が見えてきます。

拝殿は富士山に見立てた富士塚の上にあり、江戸期の富士信仰の拠点の一つとなっていたようです。元は前方後円墳だったとも言われており、時代の流れを感じさせます。

赤い文字の石碑が沢山あり目を引きますが、これは火消頭の組長などから奉納された町火消の纏(まとい・シンボルマーク)を彫った石碑です。富士信仰として町火消屋に信仰されていたようですね。
【参道】富士塚の山頂に鎮座する社殿

山自体が本殿と思われ社殿はコンパクトな作り。普段は無人であり若干寂れた感じがしますが、清掃などしっかりと管理されております。
【駒込富士神社 御朱印】

御朱印は駒込天祖神社で授与しております。
【駒込天祖神社と駒込富士神社の現地参拝レポート&評価】
駒込天祖神社と駒込富士神社 現地レビュー・評価スコア
| 評価項目 | スコア | 特徴・ワンポイント |
|---|---|---|
| 静けさ | (4.5) | 文京区の落ち着いた住宅街の中に鎮座し、緑に包まれた参道や境内には大変静かな空気が漂う |
| 歴史・由緒 | (4.5) | 源頼朝ゆかりの天祖神社と、江戸三大富士に数えられ山頂に本殿が鎮座する富士神社の由緒ある古社 |
| アクセス | (4.0) | JR・東京メトロ「駒込駅」から徒歩約7分、都営三田線「千石駅」からも徒歩圏内でアクセスしやすい |
| 自然・景観 | (4.0) | 富士塚の小高い山体や季節の植栽、天祖神社の静かな鎮守の森が味わい深い景観をつくる |
| 御朱印種類 | (3.5) | 天祖神社・富士神社双方の通常御朱印や、山開き・例大祭等の限定御朱印が授与される |
| 規模 | (3.0) | 天祖神社の境内地と、少し離れた場所に位置する富士塚を中心とした富士神社のコンパクトな敷地 |
現地レポ|実際に訪れた感想
今回ご紹介した駒込天祖神社と駒込富士神社は、どちらも本郷通りから少し入った場所にありながら、それぞれ全く異なる魅力を持った素晴らしい神社でした。天祖神社の都会の喧騒を忘れさせるような凛とした静けさと、富士神社の江戸時代からの信仰をそのまま残した圧倒的な富士塚の存在感。この2社を続けて参拝することで、文京区の持つ歴史の奥深さを肌で感じることができます。
特に富士神社の山頂(拝殿)からの景色は、かつて江戸の人々が富士山を仰ぎ見た熱気を今に伝えているようで、胸が熱くなりました。周辺のレトロな街並みも含めて、のんびり散策するのにぴったりのエリアです。ぜひ皆さんも、2社あわせて足を運んでみてくださいね。また、六義園や旧古河庭園からも近いので、あわせて観光するのもおすすめです。
【あわせて巡りたい周辺観光スポット】
吉祥寺、六義園、妙義神社、白山神社、根津神社、旧古河庭園
Kanataの神社・お寺めぐりナビ

