【塩船観音寺の概要と歴史】
東京都青梅市塩船に鎮座する真言宗醍醐派の寺院、塩船観音寺。大化年間に創建されたと伝わる歴史ある古刹で、国の重要文化財に指定されている室町時代建立の「本堂」や「阿弥陀堂」「仁王門」など貴重な文化財を今に伝えています。また、境内の丘陵をすり鉢状に覆う「塩船観音つつじ園」は関東屈指のツツジの名所として名高く、開花時期には斜面一面が鮮やかな赤やピンク、白に染まり、観音像が見守る中を散策する絶景を楽しむことができます。
【歴史と由来】大化年間開創と伝わり青梅市に佇む真言宗醍醐寺派の古刹
塩船観音寺(しおふねかんのんじ)の創建は、大化年間(645年〜650年)と伝えられています。全国を行脚していた八百比丘尼(やおびくに)がこの地を訪れ、一寸八分(約5.5cm)の小さな「紫金の千手観音像」を安置したのが始まりとされています。正式名称は「大悲山観音寺(だいひざん かんのんじ)」で真言宗醍醐派の別格本山であり、東京都青梅市にある歴史ある寺院です。
【ご本尊とご利益】千手観世音菩薩が授ける開運招福・諸願成就のご利益
ご本尊は、十一面千手千眼観世音菩薩(じゅういちめんせんじゅせんげんかんぜおんぼさつ)を祀っております。
- 諸願成就・開運:秘仏である御本尊の千手観音は、あらゆる願いを叶える「諸願成就」の観音様として厚く信仰されています。
- ボケ封じ・健康長寿:境内の薬師如来は「ボケ封じ」にご利益があるといわれています。
- 無病息災・災厄消除:毎年5月3日の例大祭で行われる「火渡り荒行(柴灯大護摩供)」では、無病息災や災厄消除が祈願されます。
【塩船観音寺の見どころ&参拝ルート】
【仁王門・阿弥陀堂と大スギ】境内への入口となる仁王門、阿弥陀堂、そして樹齢千年の圧倒的な大スギ(千年杉)

仁王門は室町時代後期(15世紀〜16世紀)に建立された、素朴ながらも力強い建築様式で現在は国の重要文化財に指定されております。

門の左右には、東京都の有形文化財に指定されている一対の金剛力士立像が安置されています。

阿弥陀堂(あみだどう)は、仁王門をくぐってすぐにあり、こちらも国の重要文化財に指定されています。お堂の中には、東京都の指定有形文化財である木造阿弥陀如来立像が安置されています。

阿弥陀堂から先に進み本堂へ向かう参道の左側にそびえ立っています。寺の長い歴史と生命力を象徴する巨大な御神木であり推定樹齢1000年〜2500年(寺伝による)だそうです。現在は、東京都指定天然記念物に指定されています。この大スギには、創建に関わった八百比丘尼(やおびくに)にまつわる伝説があり、彼女がこの地を訪れた際、杖を突いたところから根付いた、あるいは記念に植えたものと言い伝えられています。
【薬師堂と本堂】境内の中核をなす歴史ある薬師堂と荘厳な本堂

薬師堂(やくしどう)は、本堂へ向かう参道の途中に位置し、病気平癒や健康長寿の仏様である薬師如来を祀っています。「目のお薬師さま」としても信仰されており、病気からの回復や心身の健康を願う人々が参拝します。

塩船観音寺の本堂(観音堂)は、この寺の信仰の中心であり、国の重要文化財に指定されている室町時代の貴重な建築物です。本堂の裏手に回ると、いよいよあの有名な「つつじ園」が目の前に広がります。
【塩船観音つつじ園と護摩堂弘誓閣】すり鉢状の境内斜面を美しく彩る有名なつつじ園と護摩堂弘誓閣
塩船観音つつじ園は、「すり鉢」の斜面全体がつつじの壁のようになっており、他では見られない独特の立体的な景色が楽しめます。

約20種類、合計約2万本のつつじが植えられており、本堂前(底の部分)から見上げると、360度を鮮やかなピンクや赤、白の花々に囲まれる没入感を味わえます。

護摩堂 弘誓閣(ごまどう ぐぜいかく)は、本堂のすぐ近くに位置し、炎を焚いて祈る「護摩祈祷」が行われる重要なお堂です。創建者である伝説の尼僧、八百比丘尼の尊像が祀られています。彼女の長寿にあやかり、健康や長寿を願う人々が訪れます。
【塩船平和観音立像・招福の鐘と児玉稲荷大明神】高台から境内を見守る平和観音立像、招福の鐘、児玉稲荷大明神

塩船平和観音立像(しおふねへいわかんのんりゅうぞう)は、つつじ園のすり鉢状の丘の頂上に立つ、お寺の新しいシンボルで2010年(平成22年)に、開山1300年を記念して建立されました。

約15メートルで全身が真っ白な輝く姿をしており、慈悲深い表情でふもとの本堂やつじ園、そして青梅の街並みを見守っています。足元からは、すり鉢状に広がる約2万本のつつじ園全体を真上から見下ろすことができます。

招福の鐘(しょうふくのかね)は、つつじ園を見下ろす丘の上にある、参拝者が実際に撞(つ)くことができる鐘楼です。

多くの寺院では鐘を撞くのが制限されていますが、ここでは誰でも撞くことができます(1回100円の志納)

児玉稲荷大明神(こだまいなりだいみょうじん)は、塩船観音寺の境内のなかでも、つつじ園のすり鉢状の斜面に位置する、赤い鳥居が印象的なお稲荷様です。本堂から「招福の鐘」や「平和観音」へと向かう散策路の途中にあります。
ご祭神は、倉稲魂命(うかのみたまのみこと)を祀っております。
塩船観音寺は観音信仰(仏教)のお寺ですが、江戸時代以前の「神仏習合」の名残で、このように境内に神様(稲荷明神)が祀られていることがよくあります。
【塩船観音寺の現地参拝レポート&独自評価】
塩船観音寺・塩船観音つつじ園 現地レビュー・評価スコア
| 評価項目 | スコア | 特徴・ワンポイント |
|---|---|---|
| 規模 | (4.5) | 国の重要文化財の本堂をはじめ、広大な境内や幾重にも重なる巨大なつつじ園が広がる見ごたえ十分の規模 |
| 歴史・由緒 | (4.0) | 大化年間(約1300年前)に若狭国司の妻が観音像を安置したのが始まりと伝わる多摩地域屈指の古刹 |
| 自然・景観 | (4.0) | 春には約15種2万株もの色鮮やかなツツジがすり鉢状の斜面を埋め尽くす圧巻の絶景スポット |
| 御朱印種類 | (3.5) | 本尊の十一面観世音菩薩や季節限定の美しいつつじ柄の御朱印など、多彩な授与品が揃う |
| アクセス | (2.0) | JR青梅線「河辺駅」等からバスまたは車。シーズン中は臨時バスや駐車場が整備され参拝しやすい |
| 静けさ | (1.0) | つつじの開花シーズン(4月下旬〜5月上旬)や行事の際は全国から多数の観光客が訪れ大変賑やか |
現地レポ|実際に訪れた感想
塩船観音寺は、「自然の造形美」と「日本人の信仰心」が完璧に調和した場所だと思います。「すり鉢状」の地形を埋め尽くす2万本のつつじが圧倒的で普通の平坦な花畑とは違い、「花の壁」に囲まれているような没入感があります。また、このお寺は国の重要文化財が非常に多く、つつじの時期はもちろん良いですが、それ以外の時期でも古建築や巨木をゆっくり眺めるだけで、深い満足感が得られる名所だと感じます。
【塩船観音寺 御朱印】


【あわせて巡りたい周辺観光スポット】
天寧寺、虎柏神社
【基本情報・アクセス】
【電車・車でのアクセスと駐車場】
※有料駐車場あり。つつじ祭り期間中:700円
【住所・公式ホームページ】
〒198-0011 東京都青梅市塩船194
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